祝! タンバティタニス記載!!

北谷の略奪者、フクイラプトル!
手取湖の竜、フクイサウルス!!
福井の巨人、フクイティタン!!!
白き雪山の竜、アルバロフォサウルス!!!!
大いなる丹波の女神、タンバティタニス!!!!!


われら、日本恐竜戦隊!!!!!
(爆発音)

ニッポノサウルス「・・・俺は?」

・・・はい、というわけで念願の丹波竜が記載されました。
その名は、タンバティタニス・アミキティアエ(Tambatitanis amicitiae)
『友情の、巨大なる丹波の女神』という意味だそうです。

丹波竜の研究および普及活動に携わってきた多くの方々には、この場を借りてお祝い申し上げます。

論文によると、
脳函尾椎などに独特の特徴を持つことで独自性が認められたとのことです。また、原始的なティタノサウルス類ですが、同時に新しい時代のティタノサウルス類の特徴も見られ、ティタノサウルス類の進化について一石を投じる新種となりそうです。
また、丹波竜研究については、丹波竜という一種のみに拘るのではなく、そのほかの生物もしっかり研究し、篠山層群の当時の生態系を再現することにきちんと着手されている点が素晴らしいと考えております(上から目線でごめんなさい)。
三枝先生の報告書によりますと、篠山層群(アルビアン階前期:すなわち約1億1000万年前くらい?)には次の生物が生息していたようです。
・ティラノサウルス類の歯
・ドロマエオサウルス類の歯
・比較的進歩的なイグアノドン類の歯
・新角竜類(アーケオケラトプスみたいな?)の歯
・鎧竜の歯
・陸生の原始的なカエル
・トカゲ
貴重な真獣類の化石
・カイアシ類(ミジンコみたいな水生生物。形態は下の画像参照。)
(キクロプス目のCyclops sp.の画像。Wikipediaより引用)
・植物化石
⇒シベリア型(キカデオイデア類や歯の小さな針葉樹)とゴンドワナ型(イチョウやシダ類、冷涼な気候の植物)の両方が生えているらしい(この辺ちょっと曖昧。情報をお持ちの方はご連絡いただければ幸いです)。
また、三枝先生の報告書によると、篠山層群の堆積した地域と時代は、乾季と雨季の明瞭なより温暖で乾燥した気候だったそうです。対して、手取層群の地域と時代は冷涼で湿潤な気候だったと言及されています。また、カイアシ類はその雨季にできた水たまりに生息し、堆積したのだとのことです。
即ち、タンバティタニスたちは現在のタンザニアにやや近いような環境に生息していたのでしょう。ただし、イネ科植物はまだ出現してないため、草原はありません。
カエルは日差しを避け、森の植物の木陰や腐葉土の近く、または小さな湿地など湿り気のある場所に隠れていたのでしょう。哺乳類は木の間にねぐらを作って暮らしていたのでしょう。
アーケオケラトプスのような堅い植物を食べられる口の構造を持った動物や背の高い植物を食べられるテリジノサウルス類などが森の中に生息し、それをドロマエオサウルス類やティラノサウルス類が餌にしていたのだと考えられます。イグアノドン類は比較的開けた地域にいたのでしょう。
ここで、鎧竜がいるのが気になります。日本だと鎧竜化石がちょくちょく発見されますが、一体どのような生態だったかは気になります。
そして、タンバティタニスを含む恐竜達は、アジア大陸と福井の間を、「渡り」の過程に使ったのかもしれません。
篠山層群では卵の殻(獣脚類やカメの卵らしきもの等。竜脚類はない?)がまとまって発見されたという報告がありました。少なくとも一部のカメや獣脚類は、篠山層群のあった地域を繁殖地として使っていたのでしょう。
全く科学的証拠はない妄想ですが、もしかしたら渡り鳥のように繁殖目的で白亜紀前期の丹波を訪れた恐竜もいた可能性も否定できないのではと考えています。
・・・若干妄想が入ってしまいましたが、篠山層群の生態系についてはこれほど詳しく語れるのも、丹波竜発掘プロジェクトが細かな化石まで隅々まで調べ尽くそうとする方針があってこそのことです。
こうした生態系をしっかり再現しようとする研究は、生物屋としては非常に嬉しく思います。
参考文献
Haruo Saegusa & Tadahiro Ikeda , 2014
A new titanosauriform sauropod (Dinosauria: Saurischia) from the Lower Cretaceous of Hyogo, Japan
Zootaxa 3848, (1): 1-66
三枝春生 兵庫の恐竜:篠山層群の白亜紀前期脊椎動物群とその意義
温泉科学(J. Hot Spring Sci.),61,222-226(2011) 日本温泉科学会第64 回大会公開講演4 

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祝! タンバティタニス記載!!」への4件のフィードバック

  1. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ニッポノサウルスは追加戦士ですよきっと(震え声)
    篠山層群の研究は素晴らしいですね。恐竜だけでなく、小動物や植物相について論じることができると、妄想(←)も膨らみます。
    小田先生や徳川さんなどのアーティストと、三枝先生をはじめとする研究者のチームワークにはなんだかほれぼれしました。アーティストが初期段階から研究者の監修を受け、ディスカッションを繰り返して復元画・模型を製作するというのは、ある種ひとつの理想形であるように思います。
    タンバティタニスのほかにもトロオドン類や角竜の体骨格が関節して発見されているあたり、篠山層群は手取層とは異なったタフォノミーが考えられますね。篠山層群については、色々な方面からアプローチができそうなのが嬉しいです。

    いいね

  2. SECRET: 0
    PASS: 0f74ed4b8cbfafa64f5dcb69b16bcce5
    海からニッポノサウルスが笛で呼ばれて出現し、2号ロボになるんですね。わかります。
    そしてフタバスズキリュウの母艦と究極合体するんですねw
    篠山層群の研究は、石の欠片さえも細かく探求するという恐るべし調査ですからね。小動物が大量に出るのもうなずける話です。
    丹波竜がやや不完全なのは残念ですが、それでもしっかり古生態系を再現することができたのは大きな成果でしょうし、成功した研究と言えるでしょう。
    仰るとおり、丹波竜プロジェクトにおけるアーティストと研究者の連携は理想的なものですよね。
    さぁ、みんなでタンバティタニスのフィギュアを三体揃えましょう!(ステマ)
    >トロオドン類や[太字]角竜の体骨格[/太字]が関節して発見されている
    [太字]な、なんですとぉ・・・!? [/太字]
    確かに、篠山層群の古生物はかなり手取層群とは異なるようですね。手取はもっと植物が多いようですし。
    個人的には、ほぼ手付かずとなってしまっている双葉層群(アレは海生層ですが)が気になります。

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  3. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    タンバティタニスのフィギュア買えてないのですよ(悲報)なんとか丹波に行きたいです・・・
    角竜の体骨格、春に大阪でやったトリケラ展に出ていました。クリーニングは部分的にしか行われていませんが、前位胴椎が5つと肋骨が関節した状態で保存されています(それだけですが)。
    工事で出た岩塊らしいので、おそらく本来はかなりの部位が関節して保存されていたと思われます。
    双葉層群、かなり福島第1原発の避難区域だか警戒区域だかに入っちゃってるみたいなんですよね・・・。場所によっては、道路に被覆されてしまった露頭もあるかもしれません。
    海成層ではありますが、もう少し恐竜化石が出てもいいとは思っています。

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  4. SECRET: 0
    PASS: 0f74ed4b8cbfafa64f5dcb69b16bcce5
    タンバティタニスのフィギュアは、大阪自然史博物館やひとはくなど、意外といろんな所で売ってますよ。
    通販もあるようです。
    篠山角竜の情報ありがとうございます。
    春のトリケラ展に出ていましたか・・・。あの時はアルバロフォに目を奪われてました(笑)
    双葉層群は残念なことになっちゃっていますよね・・・。
    将来、研究が進むことを祈るしかないですね。
    仰るとおり、双葉層群からはもっと多くの恐竜化石が産出される可能性がありますよね。

    いいね

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