日本放浪録(10) 豊橋の恐竜達

私は、とあるビデオに懐かしい思い出がある。

「たのしいきょうりゅうたち」というビデオだ。私が子供の頃、両親が借りてくれた。内容は基本的な恐竜の紹介が中心だった。だが、プテラノドンやサーベルタイガーが出てこなかったので不満だったのか(当時、恐竜・古生物の紹介ならコイツ等は欠かせないと勝手に思っていた)、自ら守護獣の玩具をビデオの前に持ってきて「ほら~、プテラノドンだぞ~♪ サーベルタイガーだぞ~♪」と脳内補完で誤魔化してたことも覚えている。

考えてみると、何十回もこのビデオを見た気がする。少なくとも20回以上は見たはずだ。私の中での恐竜のイメージはこのビデオに出てくる映像でほぼ固まったと言っても過言ではないだろう。

その後、「ゴジラ対ガイガン」を上書きしてしまい見る機会はなかったが、内容はやたらはっきり覚えている。こんな過去の思い出をいつまでも後生大事に記憶していないで、もっと役に立つことを記憶すべきだと我ながら思う。

さて、前置きが長くなってしまったが、このビデオ、実は豊橋自然史博物館で撮影されたものだった。というか、今思い出すと同博物館のPVにしか見えない(ただし、かはく旧館の映像とかフィル・ティペットの恐竜モデルアニメとか初代ロストワールドとか、なにげにむっちゃマニアックな映像も入っていたが)。
この像を見る目的もあって、今回の学会に参加した。
2009年には、それぞれこんな色だった。実は以前は地味な色だったのだが、2000年代に入ってそれぞれの恐竜がリペイントされたのだ。以来、市民から何度もアイディアを募集し、様々なお色直しをしてきたのである。

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これが2009年訪問時の写真である。

トウジャンゴサウルスはリペイント後下にも関わらず、かなり磨り減って禿げていた。

だが、それがいい。

逆に言えば子供達にそれだけ親しまれたとも言える。この恐竜遊具が非常に愛されたか、そして優れているかを示す最良の証であろう。

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パキケファロサウルスは時代を反映してか、やたらと大きい。なにげにゴジラ立ちでもある。

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アンキロサウルスは、面長な顔になっている。正直、尻尾の先端が化膿してしまったエドモントニアとしたほうがまだシックリくるだろう。そして某ゾイドにも非常にソックリである。

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メガロサウルスは、今思うと笑うセールスマンみたいな顔つきに見えてしまう。

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イグアノドンと、無謀な挑戦を仕掛けようとするデイノニクスが睨み合っている。彼らも実は塗り替えられており、デイノニクスは昔は黄土色で、イグアノドンはもっと地味な色だった。

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トリケラトプスは変わってない。・・・ように思える。

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ブラキオサウルスは黒い斑点模様になったが、今尚その雄姿を見せつけている。酸欠にならないか心配である

そして、マイアサウラがこちら。博物館開館当時はマイアサウラが日米双方で話題となっており、そのブームに乗じて制作されたのだろう。

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実はマイアサウラも何度か色替えがなされており、最初は薄いオレンジ色だったものが、薄い黄土色(一部ニホントカゲのような明るい青)⇒青のまだら模様つき(後述)、と幾度となくリペイントされている。
また、この顔を見ていただきたい。

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優しい顔つきのお母さん恐竜に見えるだろう。みなさんもそう思われますよね?

(※偉大なるB級スポット愛好家、故・荒川聡子御大にもネタにされていた)

そして、2015年訪問の際には、こんな色になっていた・・・

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アンキロサウルスは2015年にはなぜか顔が真緑になった。毒キノコでも食べたのだろうか? ・・・と言いたいところだが、2009年度の写真をよく見るとお分かりいただけるだろうが、もともと緑色だったのを再び塗り直したに過ぎないようだ。

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マイアサウラは面白い色合いになった。

パキケファロサウルスは未確認のまま帰ってしまったので、特に何も言えない。

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イグアノドンとデイノニクス、メガロサウルスとトリケラトプスは変わってなかった。

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トウジャンゴサウルスは変わりすぎである。だが、2009年度の写真を見る限り、数多くの子供たちを乗せてあげたのだろうから、その功績に免じてこのくらいのイメチェンはありだろう。

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ブラキオサウルスも変わりはない。その雄姿は健在である。

 

・・・とまぁ、ここまで豊橋の恐竜たちを見てきたが、彼らは年によって大きく色が変わる。ここを訪れる際は、色の変化を楽しむのもひとつの楽しみ方であろう。
同時に、こうした色の変化を見ていると、人間の想像力の素晴らしさを改めて認識させられる。一部の羽毛恐竜の色が判明したとは言え、まだまだ恐竜の体色は未解明なのだ。

もしかしたら、人の顔に似た模様があっても、ニコちゃんマークがあっても、なんらおかしくはないのだ(実際にそんなカニがいる)。

人間の想像力は無限に近いのだ。これからもその力は、豊橋の恐竜たちを進化させ続けてゆくのだろう。そして、この恐竜たちが子供たちにずっと愛されるのも間違いないだろう。

私は、それを楽しみに見守りたい。

 

なお、これらの恐竜模型は必ずしも最新の学説を反映しているとは限らないことにご注意頂きたい。

参考
http://web.archive.org/web/20130617133545/http://www.arakawas.sakura.ne.jp/backn014/nonhoipa/nonhoip2.html
(故・荒川聡子御大の素晴らしい記録の一部。下ネタ要素も多いのでとりわけ18歳未満の方は閲覧注意)

豊橋市自然史博物館HP(おしらせ)

http://www.toyohaku.gr.jp/sizensi/01news/h23news/index.html

 

上記のビデオ「たのしいきょうりゅうたち」は、オークションサイトや図書館などで見つけることが可能である。
興味のある方は一度ご覧いただければ幸いである(ステマ乙)

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日本放浪録(10) 豊橋の恐竜達」への21件のフィードバック

  1. トウジャンゴサウルスは落ち着いた色合いで、なんかいい感じが出ていますね。一方でアンキロの配色には絶句しました…(以前千葉県にあった恐竜パーク木更津にもこんなシュールな色合いの恐竜がいたらしいです。行ったことはないが)。
     模様が人の顔に見えるカニといえばヘイケガニですが、ニコちゃんマークのカニ…寡聞にして存じませんが、実在するんですよね…?

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    • 木更津恐竜パークの珍奇恐竜軍団は、今は北国で幸せな余生を送っているそうです。(荒川氏のHPにも記事がございます)

      ニコちゃんマークのカニは冗談抜きで実在します。アカテガニというカニです。

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      • いま調べ物をしていたら、ヒライソガニの中にはまれに(サインペンで書いたような)ニコちゃんマークの模様を持つ個体がいるんだそうです(ソースは以下)。
         アカテガニもニコちゃんマークとは意外でした。図鑑でよくお目にかかる種類ですが、今までちゃんと見ていなかったもので…。
        http://13shoejiu-the.blog.jp/archives/51755169.html

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      • ヒライソガニは甲羅の色の個体変異が激しいので、おそらく偶然の産物でしょうね。とは言え、凄いですねコレ・・・
        アカテガニのニコちゃんマークは、また改めて記事にしたいと思います!!

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  2. 私が昨年訪れた際は、ちょうど幼稚園児の遠足にぶつかってしまい。公園内は黄色い声でいっぱいでしたよ。^^
    ピンクのトォジャンゴサウルス、結構な人気でした。すぐにまた塗装が剥げそうですね。w

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    • 寧ろ塗装が剥げることはいい事だと思います。それだけ子供たちに愛されたという証になりますからね。

      トウジャンゴサウルスは頭が低い位置にあるから遊びやすいというのも大きいでしょうね。

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  3. アンキロくんをイロモノ担当にするのはやめてあげて下さい!(笑) 落ち着いた色合いを貫き続けているトリケラくんが羨ましいです…
    アンキロが派手なのはガンブラスター(初代)の金ぴか砲から続く伝統なのでしょうか(笑)

    そしてステゴではなくトウジャンゴ、ティラノでもアロでもなくメガロ、という渋いチョイスが素敵です(^^)

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  4. 申し訳ございません、個人的にはむしろマイアサウラをイロモノ担当として書いたつもりだったのですが・・・w
    アンキロが派手なのは子供たちの無限の力によるものでしょう(笑)
    トリケラは登りづらそうなので、それゆえ塗装が剥がれづらいというのも大きいかと思われます。

    この恐竜広場においてトウジャンゴサウルスとメガロサウルスが選ばれたのは、
    おそらく前者は背中の板の配置が定説として固まっていたことから、後者は化石が不完全ゆえに誰にもこの像が誤りと言い切れないことから、それぞれ選ばれたのでしょう。単に製作者の好みの可能性もありますがw

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    • アンキロ=イロモノ疑惑に関しての抗議はラクティアさんの記事に対してではなく、主に作成者さん(豊橋市でしょうか?)に向けてですよ~(記事に対しても若干?w)。でも真面目な話、奇抜なペイントで、ある意味「特別扱い」されるのはありがたい事でもあるんですよね。子供たちの記憶に残りやすく、そこから興味を持ってもっと好きになったり詳しく調べたりするきっかけになりますから(芸人さんと同じで「いじられるのがおいしい」というやつですかね(^^))。
      メガロはイグアノドンとセットで「初めの恐竜ツートップ」を意識してのチョイスなのかな~と私は思いました(他の像の造形を見ても、製作者さまは些細な誤りを指摘されることを恐れているような心の弱い方ではなさそうな…(^^ゞ)

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      • 確かに、これをきっかけにアンキロサウルスに興味を持つ子供たちも増えるでしょうね。そういう意味では、このカラーリングも上手いのかなと思います。

        メガロのチョイスは子供の頃から疑問に思っていたのですが、Asa様のおかげで氷解いたしました。
        確かに「はじめの恐竜ツートップ」ということならば、納得がいきますね。
        貴重なご意見ありがとうございました!

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  5. 豊橋の恐竜と言えば図鑑で見たトリケラのインパクトが強かったのですが、マイアサウラの顔ですべて吹き飛びました。全然大したことねぇなアンキロ!(殴
    いい感じでどれもこれも危険な魅力にあふれてますね。90年代生まれですが、やはりこのスタイルは懐かしいというか安心感を覚えます(笑) 塗装も公園特有の目に刺さる感じでステキです。

    アンキロの復元、ナイトとかザリンガーあたりからの伝統ですが、“パレオスキンクス”(というかエドモントニア)の影響が相当強いんでしょうね。。。この辺の経緯は気になってたりします。

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    • >らえらぷすさん
       アンキロの復元ですが、僕はブラウンの復元(背中に皮骨板をびっしり並べたやつ)を想像しました。
      僕にはマイアとアンキロの勝負は顔は前者、色遣いは後者が(どちらも悪い意味で)インパクト大という点で引き分け…じゃないかな?

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      • ・猛勉の瑛様

        アンキロの旧復元は、私はザリンガーがパッと浮かびますね。
        個人的には、アンキロの方が骨格とかけ離れてるぶん、インパクトがより大きいような気がしますw 

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      • >猛勉の瑛さん
        マイアサウラは比較的(?)色がマシなのが不幸中の幸いでしょうか(笑) トリケラだけ恐ろしく地味な色なのがまた笑いを誘う感じがします。

        ウォーキングWITHダイナソー(脅威の恐竜王国)のアンキロはかなりブラウン色が強かったような気がしますね。

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    • ・らえらぷす様
      アンキロサウルスはその辺を大いに参考にしたのでしょう。ちなみにパレオスキンクスは凶悪で血を好む恐竜だって、ロバートさんがおっしゃってました(笑)
      (※意味がわからない方は「恐竜の飼い方教えます」の旧版をご覧下さい)

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      • 「恐竜の飼い方教えます」の旧版がなぜか(開校したての)小学校に置いてあったので、ずいぶん読みふけりました。新版もカオスで面白かったですね。

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    • >らえらぷすさん
      (私が個人的に好きな)アンキロの話に巻き込んだ形になってすみません(^^ゞ。ナイトやザリンガー、そしてパレオスキンクスというと、「エドモントニアの首から肩のスパイクをその後ろにも推測で脇腹にずらりと並べて、アンキロの尾のハンマーを合成したキメラ鎧竜」という認識でよかったんでしたっけ?(すごいうろ覚え(汗))

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      • ・らえらぷす様
        新版の方はちょっと品がない文章が散見されるので、子供には見せられないですね(笑)
        イラストとかも、個人的には旧版の方が好みだったりします。

        ・Asa様
        海外の図鑑などを画像検索してみたところ、だいたいそんな感じでした。
        これは推測に過ぎませんが、おそらく昔の方は「脇腹にもトゲがあった方が防御面では効率的な進化像ではないか」と考え、あのような配列になったのではないでしょうか。
        顔については、どうしてあぁなったのか今後調べてみようかと思います。

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  6. >凶悪で血を好む?!なんじゃそりゃ!?僕はその本を拝読していない(かつて本屋で中身をのぞいてみたが、あまりにもばかげていたので買わなかった)のですが、いくらなんでもやりすぎですよ…。多分その作者はアンギラスのイメージが先行していたんじゃないかしら?
     BBCのアンキロの色は背中が黒褐色、腹が黄色だったと思いますよ(で、黄色しか見えていなかったおいら)。トリケラ…あまり派手な色彩のものは見かけませんよね。「質実剛健」なイメージがあるからかな(僕が勝手にそう考えているだけですが)?

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    • 「恐竜の飼い方教えます」はたしか、パレオスキンクス以外の鎧竜も「気難しい」とか「すぐ便秘になる」とか「皮骨を皮製品の材料するために飼う以外にはお勧めできない」とか、散々な書かれようだったかと記憶していますw(現品手元にないのでうろ覚え…)。著者は鎧竜になにか恨みでもあるのでしょうか?(笑)

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      • ・猛勉の瑛様
        作者のユーモアのセンスはかなりBlack且つ独特ですので、受け付けない方がいらっしゃるのも、猛勉の瑛様のお気持ちも理解できます。かなり人を選ぶ本であることは間違いないですね。
        ただ、アンギラスのイメージが先行していたことは多分ないかと思われます・・・。(作者はイギリス人、且つ怪獣映画が好きという話もないので)

        ・Asa様
        おそらく、「歯が小さい⇒便秘になる」「鎧で覆われている⇒カメのように臆病で気難しい」という発想をなされたのではないかと推察されます。
        ただ、なぜかエウオプロケファルスだけはかなり好意的に書かれていたような気もします。
        あと、剣竜も剣竜で、やたらと「人の顔をすぐ忘れるおバカさん」と散々な書きようで、こっちもこっちで酷い扱いでした(笑) 結構古い恐竜のイメージで書かれている面も小さくはなさそうです。(逆に言えば、そうしたイメージを揶揄したのかもしれませんが)
        反面、スケリドサウルスだけはやたらと扱いが良かったのが笑えますw

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