ぶったまげたニュースがやってきました。
なんと、私が子供の頃には謎に包まれていたあの恐竜、デイノケイルスの全身骨格について、とうとう正式な発表がありました!
どんな姿かご覧になられる方は、Michael Skrepnikによる復元画の掲載された、こちらの記事をご参照ください。(←ナショナルジオグラフィックHPに飛びます)
背中の突起部や肋骨などの一部が未発見ですが、これまでの発見も合わせればほぼ全身を再現できるレベルの骨格が発見されています。
リンクをご覧いただければ一目瞭然ですが、凄い顔をしています。
まるでハドロサウルス類のような顔です。個人的にはまだこれがデイノケイルスのものだとは信じられないくらいです。とはいえ、下顎がたいそう分厚いものの、頭骨の上部はよく見ればオルニトミムスの面影を残していますね。
また、今回の発見で私の注目したポイントは次の3つです。
①亜成体の骨格も発見された
これで、デイノケイルスの成長についての研究が可能でしょう。もっとも、世界的に見ても貴重な標本ですから、そういった分析はまだ先になると思われます。
②割と形を保った強膜輪が共産している
シュミッツら(※強膜輪を用いて絶滅動物の活動期間を推測する研究を行っている)の研究を応用すれば、おそらくデイノケイルスが夜行性か昼行性かどうかも推測ができるはずです。もっとも、こうした強膜輪を用いた研究もまだまだ黎明期ですし、確定というわけでもないので、今後改善の余地はあります。
③腹部から胃石と魚の鱗が見つかっている
これがもっとも興味深い発見です。
元来、シノルニトミムスの発見とそのサイズから植物食と考えられてきましたが、どうやら事実は複雑だったようです。もっとも、腹部から見つかったといっても死後単に流れ着いた可能性もあります。
バリオニクスみたいに胃酸で溶けた跡があった、などの客観的な証拠が必要となるでしょう。また、雑食という可能性もありますね。
おそらく、近い将来には日本でも骨格が展示されるでしょう。その時をマメンチサウルスのように首を長くしながら待つことにいたします。
(追記)
尾端骨はオヴィラプトル類やテリジノサウルス類の一部の種のように、塊状になっていたと書かれていました(※文献において、その写真や図版はなし)。
よって、尾部には尾羽が生えていた可能性もあるかもしれませんね。
このことを意識したのか、復元画でも尾羽がちょこっと控えめに描かれているのが見受けられます。
(余談)
・・・それにしてもいい時代になったものです。