日本放浪録(5) 学会覚書と見せかけての・・・

三日目
この日は学会にて、ポスター発表を行なった。
かなりハクセンシオマネキに関する発表も多く、大いに参考になった。なんだかんだで問題点に関しても振り返ることができた。

残念ながらここで内容を明かすことはできないが、古生物関連の発表もいくつか見られた。生物学と古生物学が密接につながってる証左と言えるだろう。今後もこういった研究が増えればいいと思う。

また、カステラを食べることもできた。有名な三時のオヤツは文明堂も美味いが、ほかのところもなかなか良かった。

その後、懇親会は学会で得た知り合いと旧交を温めた。学会のいいところは他者との交流が深められることもまた魅力の一つであろう。
そして、出された皿うどんがむっちゃ美味かった。思えば長崎では皿うどんばっかり買ってたような気がする。

そもそも私が皿うどんを好むようになったのは昨年度関空で皿うどんをたまたま注文したことがきっかけだ。その時非常に美味いと思ったのだ。それ以来、どこか皿うどんに惹かれるようになった。

・・・皿うどんの話しかしてないな(笑)

白浜風土記(18日目) 寮のトイレで巨大ヤモリに遭遇した!

先日の白浜は豪雨だった。我が家にも大雨が降り、屋根に落ちる。その雫がポタポタとテンポよく音を立てていた。

最初はポツン、ポツンと長い間隔で、そのうちポツポツポツポツ・・・と、徐々に間隔が短くなっていった。やがて、ドザーと、バケツをひっくり返したような流水音が鳴り響いた。

ふと、尿意を覚え、トイレに行った。用を足そうとすると、突如窓から何かが飛び出してきた。

「うぉっ!?」

さすがに驚いて声をあげてしまった。これがホラー映画だったならば私はとっくに命を落としていただろう。だが、幸いにも降ってきたのは生首でもなければ物体Xでもなく、ましてやフェイスハガーでもなかった。

巨大なヤモリだった。おそらく豪雨に驚いて住処から脱出し、トイレの暗闇の中に隠れていたのだろう。そこに私が入ってきて灯りをつけたので驚いて飛び出てきたのだろう。

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『守宮』と書くだけあって、恐らくはこの寮のヌシなのであろう。少なくともこの家で発見した動物の中では最大サイズだった。少なくとも10cmくらいはあっただろう。

ヌシ様は私の前を飛び出すと、驚いたのかすぐに物陰に隠れてしまった。

あまりヌシ様の機嫌を損ねてもいけない。写真撮影後、速やかに避けた物陰を元に戻し、手を合わせてトイレから去っていった。この寮を守ってくれるよう。

翌朝トイレに行き、隠れ家を見直した。

 

そこには、もう何もいなかった。

 

(※言うまでもないですけど、ちゃんと手を洗ってから写真を撮影しました)

 

日本放浪録(4) 婆羅陀魏山神inいのちのたび

長崎福岡旅行二日目(いのちの旅博物館編)

46億年の旅を終えたあと、次はいのちの旅を始めることになった。勿論中は暖房が効いていて暖かった。そして荷物をコインロッカーに預け、入ってみたが・・・。

あまりの展示量にびっくり仰天!

ダンクレオステウス!

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セイスモサウルス!!(今はディプロドクス属だけど、しかたないね) ケツァルコアトルス!

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プテラノドン!

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トリケラトプス!!(復元姿勢が古い・・・)

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ティラノサウルス!!!(スタンだ!) (※スーもいたが写真掲載不許可スーの写真については下の追記参照)

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他にもステゴサウルスやアロサウルス、カマラサウルス、ギガノトサウルス(頭骨は例のアレだが・・・)、クリョロフォサウルスにデイノニクスなどなど、大量の骨格展示が広い展示スペースに所狭しと並べられていた。

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かつての東海大学自然史博物館を思い出す展示だった。アレに関しては正直言って、昔の展示の方が好きだったなと思う。

さらに上を見渡すと、BBCの”Walking with Dinosaur”の映像が流されていた。確かにセイスモサウルスやティラノサウルスがいるからぴったりなのだが、ホントにどこもかしこも、BBCが好きだなと思った。権利上の関係などで、放映しやすいのだろうか?

その後進んでいくと、ブロントテリウムやヒラコテリウム、バシロサウルス(の頭)、マンモスやオオツノジカの全身骨格など、新生代哺乳類のオンパレード。

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後ろにはジャイアントモアやマンモスなども続いていた。さすがにかはくにはかなわないものの、勝るとも劣らない展示量であった。頭上にはアンブロケトゥスやマウソニアなども泳いでいた。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

そして古生物展示を一通り見た後、ワキノサトウリュウの動刻展示場に入った。
まるでゴルゴムの地下神殿に潜入したような気分だった。

薄暗い岩だらけの空間。ときどき雷もなる。

その中で響き渡るコウモリのオバケみたいな姿の、ズンガリプテルスの鳴き声。岩の上で佇む姿は、まるでゴルゴムのコウモリ怪人のようだった。鳴き声まで微妙にコウモリ怪人ソックリだったのが笑える。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

何もかもが、あまりにもゴルゴムの神殿のようだった。赤い月の下で佇むワキノサトウリュウなんか、見事に怪人っぽい。

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これもゴルゴムの仕業だ!

しかし、科学的視点から考えれば、この展示スペースはちと問題がある。あまりに時代が異なる恐竜が多すぎたのだ。
無論、諸事情があることを承知の上で申し上げるが、マメンチとヴェロキラプトルを白亜紀前期の生態再現をした展示室に置くのはさすがにどうかと思う。
とは言え、おそらく当時の日本(九州)にも生息してた可能性がある大型のドロマエオサウルス類や大型竜脚類をイメージしたがゆえの配役と考えれば、そこまで悪くはないのかもしれない。

その後メイキングや九州の化石コーナーを見る。ペンギンモドキも展示されていた。座る姿勢と泳ぐ姿勢の両方を並べてあるのがなかなか良いと思う。

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実は学会まで時間がなかったため、今回は古生物展示を一通り見て、早々と現生動物展示や2階を見学するというハードスケジュールだった。

そのため干潟展示以外はロクに見る時間がなかった。現生動物の標本にもいいものがあっただけに、ゆっくり見たかったものである。甲殻類展示もタカアシガニとタスマニアクラブを見るだけに留まり、非常に残念である。

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またしてもゴルゴムの仕業だ!

北九州を含む西日本の干潟では、カブトガニが見られる。そのため西日本の自然史博物館では、ほぼ必ずカブトガニが展示されているのだ。ここも例外ではなく、カブトガニが愛を交わしあっていた。その隣では、アオサギやシギたちが餌となる干潟の無脊椎動物を探していた。

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全体的に良い干潟展示だったと思う。地域性にも根ざしているし。

また、西日本に(近年は東日本の一部地域でも見られるが)ハクセンシオマネキが生息しているため、彼らも大体は一緒に展示されている。

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しかし、思えばハクセンシオマネキについてこのブログで取り上げることはなかったが、まさかここで初となるとは思わなかった。自分の研究対象でもあるし、干潟のことを伝えるためにも、今後はもう少し取り上げたいものだ。
面白い展示もあった。八幡製鉄所関連の展示で昭和30年代の社宅を再現する場所があるのだが・・・。

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そこになんと「大怪獣バラン」のポスターが!!

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この展示を考案した人が誰かは不幸にして知らないが、こう申し上げたい。

「すばらしいぃぃぃっっっ!!」

ここでバランを出すとは素晴らしい。ゴジラやラドンなどメジャー怪獣でも良かったのに、敢えてバランのポスターを展示するとは!これでバランの知名度が上がればいいと思う。
というわけでいのちの旅博物館に行った特ヲタは、必ず「バラン」のポスターを見てから帰ってくるように!
そして、DVDでバランを見よう!

図書室の所蔵書籍も確認したかったので残念だったが仕方ない。一応、「恐竜学最前線」の蔵書などは確認できたが。
その後特別展図録や干潟に関する書物を購入し、お土産を買って去った。ちなみにお土産屋にあったこのプレートが気に入ったので掲載してみようと思う。

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だいぶ疲れた。ロクな昼食を摂る暇もなかった。昼に食したのは長崎行のバスセンターで売っていた肉まんとスナックだけだった。そのためか、バスの中では眠っていた。

この日は四時頃学会会場に到着し、動物行動学で著名な長谷川眞理子先生のご講演を拝聴した。
そういえば以前、生態学会の際に私は飲み会でこの人の隣に座ったことがある。今思えば、だいぶ凄まじい経験だったと思う。

その後ひとりで長崎の中華街に向かい、綺麗なお姉さんのいるお店で皿うどんを戴いた。美味しかった。

そしてカプセルホテルの中で休息を取るのだった・・・

追記(2015/5/24)

上記の博物館はスーの写真掲載不可と執筆いたしましたが、その後改めて情報を入手いたしましたところ、厳密には誤りであることが判明致しました。

商業関係でない個人的なブログなどであれば問題はないとのことでした。

閲覧者の皆様には誤解を招いてしまい、大変申し訳ございませんでした。

※ただし、博物館における写真をブログへ掲載する場合は、どのような場所であれ、必ず掲載許可を取られた方が賢明であることも付記致します。

白浜風土記(17日目)  振り返ればビールばかり飲んでいた

白浜に移住してから早2ヶ月近くが過ぎようとしている。

思えばいろんなことがあった。

兵庫でビール飲んだり、大阪でビール飲んだり、長崎でビール飲んだり・・・。なんと、ビールの記憶ばっかりだ。しかも全然白浜の話じゃない。ちなみに私は日本酒や焼酎が好きだ。よく安物の量が多いペットボトルの焼酎を買ってきて、それを薄めて飲んだものだ。最近はウォッカを麦茶で薄めて飲むのがマイブームである。

勿論、私はビールも好きだ。

特にみんなでジョッキを交わし乾杯するのが好きだ。ビールの最も素晴らしいところはこの乾杯にあるだろう。

人と人とが交流し会える和やかな場を作るのが、ビールというお酒の最大の魅力なのではないだろうか。

・・・と、何やら偉そうにここまで書いてきたが、これでは全く白浜の話ではないのでこじつけなければなるまい。

白浜にはナギサビールという独特の銘柄のビールが販売されている。少々お値段は張るが、かなり美味い。普段あまりビールを飲まない私だが、ナギサビールは自信を持ってオススメできる。

ちなみにペールエールとアメリカンウィードの2種類がある。前者は甘くて飲みやすい味、後者はややスパイシーな味だ。私の知る限り、ペールエールが好きだという人が多い印象だ。女性も飲みやすいと思われるので、お土産にはこちらのほうがオススメだ。

もっとも、セット販売もされているので両方持って行ってどちらが美味いか判断してもらう手もありだが。

しかし、今日は白浜の買い物事情について書くつもりが、どうしてビールの話題になってしまったんだろう。

日本放浪録(3) 46億年のちぃ散歩

如月弦太朗「宇宙キター!」

長崎福岡旅行記:2日目

この日はネットカフェの時間の都合上、早朝に出発した。朝はちょうど雨が降っていた。電車に乗っている時は良かったがその後がキツかった。幸い豪雨でこそなかったが、非常に風が冷たい。しかも開館時間まで1時間ほど早すぎた。しかたなくその辺りを重い荷物を抱えて放浪する。

まるで巣穴を追い出されたハクセンシオマネキの哀れなオスのような気分だった。もっとも私の場合は自業自得だが。
その後コンビニで朝食を摂ったり、付近の公園で雨宿りしながらスペースワールド周辺を散策していた。

途中の花園には、ツワブキも咲いていた。

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ふと、博物館の近くを歩いていると、面白いものを発見した。
『46億年  地球の道』という不思議なさんぽ道だ。

 

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とりあえず歩いてみたが、これがまた非常に長い。
こういう展示は、通常1m=1億年と換算するが、この道は遥かにそれを超えていたのだ。後で調べてわかったが、全460mはあったのだという。

 

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だが、多少疲れはしたものの、楽しい散歩道だった。

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全球凍結や隕石衝突(ちなみに上の画像は6550万年前の表現ではない)、生命出現の表現も上手くやっていて、アイディアの上手さを感じた。個人的には、全球凍結の期間を白い石(石灰岩?)で表現するというのが斬新だった。

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古生物の出現は、石に壁画を描くことで表現。

 

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ちなみに恐竜時代の部分はこちら。

白い直線のような石を置き、恐竜の繁栄期間を示していた。

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個人的にはもうちょっと詳しい解説が必要かと思うが、恐らくは地球の歴史の雄大さを体感する狙いの方がメインなのだろう。そう考えれば納得できる、いい野外展示だった。

※ その後調べてみたら、北九州市環境ミュージアム(http://eco-museum.com/)の施設の一部だったようだ。

本来は、予約制で地球の歴史についてガイドが語る体験型学習プログラムの一部とのことだ。

詳しくは→http://eco-museum.com/michi.html

 

さて、この後、ようやく長年行きたかったいのちの旅博物館に入れたのだが、ここからはまた次回・・・。

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日本放浪録(2) 人生初の九州上陸!

先日、長崎で行われた学会に参加してきた。

その直前、飛行機が福岡到着なのをいいことに、学会前に福岡周辺の博物館を見学しようと思いついた。

(※長崎まで飛行機で行っても、あまり費用は変わらない)

元々は福岡付近でゆっくりした後、北九州のあの博物館へ行く予定だったが、たまたま空港の観光案内で目に付いた九州大学総合博物館へ行くことにした。幸い、駅からも近く、すぐ行ける距離だった。

そして、やや小雨が降るなか、行ってみたものの・・・。

残念ながら大学が改装工事中らしく、哺乳類の骨格標本などを見学することはできなかった。とは言え、貴重なゾウムシの絵画集やアンモナイトの化石、絶滅危惧の淡水魚展示、アリを利用する昆虫の擬人化絵ハガキなど、収穫は多々あった。

骨格標本については、また今度来た時のお楽しみとしよう。

その後、腹を好かせながらこの日はビルの中にあった博多一風堂にて、九州ラーメンを食す。

この日は、白丸元味(とんこつ味)を注文させていただいたが・・・

これが非常にうまい!

脂にしつこさがなく、スッキリした味わいだった! 一緒に注文しためんたいご飯も非常に美味しかった。

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(※写真掲載の許可を取ってあります)

初めての九州ラーメンは、とても気持ちよく食することができた。

その後アイスを舐めながら某家電量販店で時間を潰し、漫画喫茶で宿泊。椅子がなぜかマッサージチェアの部屋に泊まってしまったが・・・。

今年春に公開されていた仮面ライダーの春映画を見ながら就寝した。思えば以前の学会で漫画喫茶に宿泊した時も、平成ライダーの冬映画(2012年版)見ていた。妙なデジャブ感があった。

「あの博物館」については、また後日お話しよう。

白浜風土記(15日目) ツワブキの上に虻が舞う

昨日から連続してツワブキの話になるが、ご容赦願いたい。

先日撮影したツワブキの花の上に、ハチのような虫が舞っていることに気づいた。

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撮影時は黒コートを着ていたため、ハチだと思って逃げ出そうとしたが、彼らは花に夢中で、あまりこちらには関心がなさそうだった。

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しかもよく見ると、ハチの荒々しくも精悍な表情ではなく、ハエやアブの温厚な顔つきであることに気づいた。ホッとして余裕を取り戻した私は、カメラを向けて何枚も何枚もハチのような昆虫を撮影した。

その後画像を詳しく見ると、私の早とちりだった。

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ハチだと勘違いした昆虫はナミハナアブ(Eristalis tenax)。その名のとおり、アブの一種だった。

恥ずかしい話だが、私がハチと間違えた理由はその体色にある。ハチと瓜二つの黒と黄色の縞模様があったからだ。だが、ハエ目(双翅目)に属するアブには毒針などない。安心して観察が可能だ。おそらくこうしたハチへの擬態(ベイツ擬態:危険種の警戒色に似た体色や形態を持つことで捕食者を避ける擬態のこと)が、捕食者回避に役立つのだろう。事実、私もハチと間違えて、一度は逃げ出そうと思ったのだ。

写真を撮ってる間も、ナミハナアブ達は冷たい風に吹かれながら懸命に花粉を食していた。思えば、この寒い季節に食料を得るのはアブにとっても大変なことだ。そんな時、大きな花が咲いていれば、彼らにとってはご馳走となるだろう。

そう。ツワブキは人の目を癒すのみならず、昆虫たちの憩いの場にもなっていたのだ! この日、改めてこの植物の凄さを知った。

追記。

スマホで撮影したツワブキの写真。デジカメよりスマホの方がうまく撮れてるって一体・・・?

(もっとも、使用したデジカメは4年前のOLYMPUS製ではあるため、性能はやや古めなのだが)

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白浜風土記(14日目) 10月の黄花

先々週辺りから、白浜でもツワブキ(Farfugium japonicum)が咲いてきた。

海岸沿いの崖や道端のあちこちを黄色く彩っている姿がよく見られる。枯れる前に一度撮っておこうと、本日実験所近くに咲いていたツワブキを撮影した。

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黄色い花が美しい。この花は福島以南、石川県以西の地点で咲く海浜植物である。といっても、その美しさから飼育する人も多く、海から離れた場所でこの花を見ることもままある。

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ちなみに感じで書くと『石蕗』となる。石の路のうえに生える草(冠)と書くことができる。その名のとおり、海岸の岩場にも生えている。昔の人は、そういった情景を眺めて名付けたのだろうか。

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写真が暗いのは筆者の写真の腕が下手なことだけに起因するのではない。フキ同様、ツワブキも日陰を好む植物なのだ。それゆえ、どちらかというと上記写真のような場所に生えることが多い。

葉の形から、実はフキと同様、キク科に属する植物である。よく見ると花の形もキクに近いことが分かる。

茎は有毒らしいが一応食せるらしい。いずれにせよ、素人が手を出すのは危険なので調理法を知らない限りは控えたほうがいい。また、この茎や葉は打撲や火傷に効く薬ともなるという。

このように、海岸とは決して花のない場所などではない。寧ろ、多くの美しい花を年中見かけることができる場所ともいえよう。

さて、このツワブキの花。11月3日に長崎を訪れたとき、そちらでも見かけることができた。

その長崎の話については、また次の日にするとしよう。

 

参考:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%84%E3%83%AF%E3%83%96%E3%82%AD

白浜風土記(13日目) イボだらけのクラゲ

二週間以上も更新をサボってしまい、申し訳ございませんでした・・・。

 

本日は、2週間前に実験所で採れた不思議なクラゲの話を書こう。

白浜の浅海を漂っていたクラゲが採取された。そのクラゲを見たときは大いに驚いたものだ。

では、その姿をご覧いただこう。(※許可を得て掲載)

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この紫色のクラゲの名前はイボクラゲ。学名をCephea cepheaという。

まず、非常に巨大である。スケールがないためわかりづらいが、50cmもあった。このオレンジ色のプラスチック容器にすっぽり収まるレベルだった。ミズクラゲが10cmくらいなので五倍もあるのだ。

また、このクラゲの注目すべき点は傘の上のイボのような突起である。これはゼリー状であり、触るとプニプニしている。イボが何のためにあるのかは今のところ不明だ。

もちろん、読者諸君はクラゲをむやみに触ってはいけない。無論、このクラゲにも触手に毒があるのだ。おそらく死ぬことはないだろうが、酷い目に遭うのは間違いない。綺麗なバラにはトゲがあるのだ。

また、これはクラゲの研究者の方から聞いた話だが、クラゲの触手には海を漂う際のバランサーの役割もあるのだという。

それにしてもクラゲは美しい。波間に揺らめく透明の提灯のようだ。このクラゲにくっついて生活する小型のカニやエビもいるらしい。確かに、捕食者から身を守るには安全な場所に違いないだろう。

クラゲは奥深い生き物だと、改めて思った一日だった。