先日、大英自然史博物館に行ってまいりました。
当初は事前情報から、恐竜や甲殻類の展示は少ないと聞いておりましたので、あまり期待はしていなかったのですが……
行ってみたら、トンでもない密度でございました!!!(歓喜)
今回は、「博物館」をテーマに、ありとあらゆる大映自然史博物館の要素を持ってきたという濃厚な標本展示。
オーウェンやダーウィンといった「常連」はもちろんのこと、ハンス・スローンやらウィリアム・スミスやらの比較的知名度が高くない(失礼)方々まで、博物館を発展させてきた偉人を紹介する内容でした。
考えてみれば、博物館とは標本の歴史。すなわち、そこに関わってきた人々の歴史をも記録してるわけなんですよね。「標本」もそうですが、そういった「歴史を作ってきた人々」も、非常に大切にしているという印象を受けました! このあたりは
おかげで2時間いるつもりが、なんと3時間もいてしまいました! …そしてお昼ご飯がスナック菓子とパフェになりましたとさ(笑)
さて、どんな展示があったかと申しますと…(かはく特別展写真は基本的に標本所蔵者の許諾が必要と会場案内に書いてありましたので、掲載は自粛しておきます)
私が気に入ったのがこちらです!
・バリオニクスの爪(なお、展示としてはほとんどキャプションもなかったです…。イギリスの誇る恐竜なのに… 発見の歴史など詳しいことを知りたい人はらえらぷすさんのブログを見てみましょう!)
・ハチドリ達が箱庭のなかで飛び踊る標本展示(ビジュアル的にも素敵!)
・マンテリサウルス腰椎の標本
・世界の海洋を調べた際に採集したタカラガイの標本
・セミエビ類の標本
・南極探検に挑んだスコット隊の持ち帰ったグロッソプテリスの化石標本
・始祖鳥ロンドン標本
・座るヒクイドリ標本(優雅さと凛々しさが合わさってGood!)
・キリンの首
・ドラえもん第17巻「モアよドードーよ永遠に」でお馴染みの、リョコウバト・モア・ドードーのトリオも!(これでオジロヌーがいたら完璧だったのですが…w)
・フクロオオカミ
・謎のピルトダウン人
また、会場内には博物館に関わった偉人たちの肖像画が展示されていました。
メアリー・アニングやチャールズ・ダーウィン、ハンス・スローンにリチャード・オーウェン……
そして、予想以上に感動し、涙まで出てしまったのはこちら!
(※写真は特別展で展示されている化石とは別標本です)
実は幼い頃、学研の「恐竜化石のひみつ」に掲載されておりましたメアリー・アニングの物語を見て、彼女に密かに憧れていました。
だってそうでしょう? 愛犬とともに、可憐な少女が太古の化石を探し当てるメアリーの姿。
恐竜少年でも、化石少年でも(そして少女でも)心惹かれるものがあるはずです。
そのメアリーが発掘したイクチオサウルス実物化石が目の前に……!
これはやばかったです。自然と涙が溢れてしまいました(つд⊂)
土産物屋では図録はもちろんのこと、荒木一成さんの始祖鳥(獣脚類を意識したデザイン)と、海外産のヒクイドリ&始祖鳥(反対にこっちは鳥っぽいデザイン)を購入。同じ生物でもここまで差が出るのかと思うと興味深いものです。
それからメアリー・アニングのポストカードやキーホルダーも。
本当に、憧れの化石が見れたいい特別展でした。もちろん、昨年の恐竜博2016も、それまでの特別展も、いずれもすばらしい展示でしたが、展示を見て涙が浮かぶというのはかはくの特別展の中では今回が初めての体験でした。
閑話休題。
昨今の某議員の「学芸員はガン」発言を聞いた上で、改めて大英自然史博物館展を振り返りますと、日本の博物館との埋めがたい大きな差を痛感しました。
もちろん現場の学芸員や博物館スタッフは頑張ってるのは承知の上で申し上げてます。どちらかといえば、世間の理解度の低さを痛感しました。昨今の博物館・科学館の相次ぐ減少は、決して日本国民の博物学への関心の低さも無関係とは言い難いと考えられます。
日本では、博物館や科学館、そしてそこに眠る標本や文化財に対しては意識が欧米諸国とは段違いに低いように思われます。
この展示を通して、もっと博物館のあり方が見直されることを願ってやみません。