恐るべきことにもう2年も白浜日記を更新していなかった。
本当に申し訳ない。
ここからは記憶を頼りに書かせていただくことをご了承いただきたい。
さて、前々回(37日目)で書いた、白浜の海底からとれた甲殻類をご紹介しよう。
白浜の海には、こんな不思議なカニたちが住み着いているのだ。
サナダミズヒキガニ(Latreillia valida)
脚がとても細いのが特徴のカニ。エビにも似ている気がする。
オキナガレガニの一種(Planes sp.)
このカニは白浜の海を漂っていた海藻に付着していたものである。脚に毛があるのが特徴。
サメハダヘイケガニ(Paradorippe granulata)
よく見ると顔のような紋様が見えるのがお分かりいただけると思う。これは内臓の配置と関係しているらしい。
トゲケブカガニ(Pilumnus orbitospinis)
ドレッジ調査ではよく見つかるカニで、割と白浜の海底によくいるらしい。
ミツカドヒシガニ(Garthambrus pteromerus)
ゴツゴツした甲冑のような体をもつカニ。写真ではわかりにくいがハサミも太い。
チョウチンコブシ(Tokoyo eburnea)
干潟でよく見かけるマメコブシガニの近縁種。やたらとハサミが細長い。
ガザミ科の稚ガニ。種類は不明。
オキノアカモンエビ?(Plesionika lophotes?)
一応オキノアカモンエビと同定したが誤っているかもしれない。
このように、たくさんの甲殻類がこの海の中に潜んでいることがお分かりいただけたことであろう。白浜の海は、多様ないのちに満ちた宝の海なのだ……!
なお、これらのカニは同定が完了した後、記録・資料保存のため冷凍庫にて安楽死させ、アルコールに浸けて標本として保管した。
研究としての資料を作る必要性も然りだが、海底に船を使って戻すわけにもいかないのだ。ご理解いただきたい。
もちろん、標本制作の前に手を合わせ黙祷させていただいた。